ポリシー・規程
長崎大学知的財産ポリシー
平成16年3月19日
部局長会議決定
改正 平成30年11月20日
Ⅰ 基本的考え方
- 長崎大学の使命・責務と基本方針
- 長崎大学の社会貢献面での使命・責務と研究成果の活用に関する考え方
- 発明等の知的財産の産業還元における本学教員等の使命と責務
- 知的財産ポリシーの対象者
- 研究開発推進機構の設置
Ⅱ 研究成果等に関する取扱い
- 発明等の取扱いについて
- 研究成果物等の取扱いについて
- 発明等評価委員会による発明等の評価・選別
- 発明の評価と承継手続
- 本学が承継した発明に基づき取得した特許等の取扱い
Ⅲ 知的財産等の管理・活用の推進
- 発明等および知的財産権
- 研究成果の実用化に向けた本学および本学構成員の義務
- 知的財産等の実施等に伴う創作者への報償
- 知的財産等の管理
- 知的財産等の学術目的の利用
Ⅳ 共同研究・受託研究に伴う権利の帰属とライセンスの考え方
Ⅴ 大学発ベンチャー企業創出の推進
Ⅵ 教職員や学生等の守秘義務
Ⅶ 知的財産等の管理及び産学官連携の実施体制と責任
Ⅷ 知的財産等の取扱いに関する異議申立て手続と処理方法
本 文 | 要 点 |
---|---|
Ⅰ 基本的考え方1. 長崎大学の使命・責務と基本方針 長崎大学(以下「本学」という。)は,「長崎に根づく伝統的文化を継承しつつ,豊かな心を育み,地球の平和を支える科学を創造することによって,社会の調和的発展に貢献するとの理念に基づき,実践教育を重視した最高水準の教育を提供し,幅広い視野,豊かな教養及び深い専門知識を備え,課題探求解決能力及び創造力に富み,地域及び国際社会に貢献できる人材を育成することを目的(本学学則第一条)」として,高度の教育・研究活動を展開してきた。近年,自然と共生し持続的に発展する社会の実現のために,多様で新しい価値観や文明観につながる科学の創造が強く求められるようになり,本学は,アジアを含む地域社会とともに歩みつつ,世界にとって不可欠な「知の情報発信拠点」であり続けることを使命・責務として,教育・研究活動のさらなる高度化と個性化を推進するために,次の基本方針を定めている。 |
長崎大学の目的 本学の使命・責務 本学の基本方針 |
2. 長崎大学の社会貢献面での使命・責務と研究成果の活用に関する考え方 本学は,創造された「知」の活用に大きな価値を置く「知識社会」の時代の到来を認識し,「教育」と「研究」の基本的使命を通じた長期的視点からの社会貢献に加えて,「研究成果の社会還元」を第三の使命として,直接的な社会貢献を機関として推進する。その第三の使命のために,原則として,本学における研究成果を機関帰属とする。 |
本学の第三の使命 本学の知的財産の創出の仕組み 知的財産ポリシー |
3. 発明等の知的財産の産業還元における本学教員等の使命と責務 本学は「研究成果の社会還元」の一形態として「発明等の知的財産の産業還元」を推進するため,産業界において活用に供せられる「発明等の知的財産」の創出・管理に組織的に取組む。したがって,その組織的取組の実現のために,本学教員等は,本学の第三の使命とする社会貢献の社会的要請を十分に理解するとともに,自らの研究成果を,知的財産として保護・育成し社会において活用することに貢献し,知的財産の不透明な流出を防止する使命と責務を負う。 |
本学の主要な第三の使命 |
4. 知的財産ポリシーの対象者 本学知的財産ポリシーの対象者は,本学の研究施設において研究活動に従事する,又は従事していた全ての者で,以下の教員等である。ただし,本学と雇用契約がない(3)~(8)の対象者等については,指導教員あるいは受入教員が,これらの対象者に係る発明の発生を認めた時点で,本学との間で発明等の取扱について契約を交わすものとする。 |
知的財産ポリシーの対象者 |
5. 研究開発推進機構の設置 本学に,発明等の知的財産を効果的に管理・活用していくこと等を目的とする研究開発推進機構を設置する。研究開発推進機構は,本学「社会貢献部門」の組織として位置付けられる。 |
研究開発推進機構の使命 |
Ⅱ 研究成果等に関する取扱い1. 発明等の取扱いについて 長崎大学の教員等が行った発明等の取扱いを「長崎大学職務発明取扱規程」に規定する。すな わち,教員等は,発明等を行ったと認めるときは,研究開発推進機構にその旨を速やかに届け出なければならない。研究開発推進機構は,発明者の権利の保障に配慮した知的財産権の適正な管理を行い,発明等の促進,研究意欲の向上及び成果の普及を図る。 |
発明の届出義務:職務発明取扱規程 |
2. 研究成果物等の取扱いについて本学における研究成果物等の取扱い等に関しては「長崎大学研究成果物等取扱規程」に必要な事項を定め,研究成果物等の適正な取扱い及び管理を図る。 |
研究成果物の取扱 |
3. 発明等評価委員会による発明等の評価・選別 研究開発推進機構に,本学の発明等の知的財産を評価・選別する発明等評価委員会を設置する。 |
発明等評価委員会 |
4. 発明の評価と承継手続 発明等評価委員会によって本学が承継すべきであると評価された発明については,研究開発推進機構または業務委託を受けた技術移転機関が直ちに技術移転等の手続き等を開始する。 |
発明の評価と承継 |
5.本学が承継した発明に基づき取得した特許等の取扱い 本学が取得した特許等については,研究開発推進機構または業務委託を受けた技術移転機関等がマーケティングを行う。 |
本学承継の発明 |
Ⅲ 知的財産等の管理・活用の推進1. 発明等及び知的財産権 本ポリシーにおいて,「発明等」とは,特許権の対象となる「発明」,実用新案権の対象とな る「考案」,意匠権,商標権,プログラム等の著作権又は回路配置利用権の対象となる「創作」, 品種登録に係る権利の対象となる「育成」,ノウハウを使用する権利の対象となる「案出」等の知的財産をいう。 |
発明等の内容 知的財産権 |
2. 研究成果の実用化に向けた本学及び本学構成員の義務 本学の研究及び開発の成果物は,本学及び日本国民全体の財産であるとの観点から,本学は, 知的財産権の発掘,取得,保護,発信,活用を,透明性・公平性を確保しつつ,効果的,戦略的に行うよう,研究開発推進機構を設置して,組織として対応する。この目的達成のため,知的財産権は,本学の機関帰属とする。 |
研究成果の実用化に向けた対応 |
3. 知的財産等の実施等に伴う創作者への報償知的財産権化の重要性に鑑み,大学は知的財産権の取得促進するために以下のインセンティブを付与する。 (1)知的財産権化への貢献度を研究者の評価に反映 (2)知的財産権実施料還元による個人補償,所属研究室補償の充実 |
知的財産権取得促進のインセンティブ |
4. 知的財産等の管理(1)研究者への知的財産等の返還 |
発明者への特許権の返還 |
(2) 発表前研究成果等の情報の管理 |
発明等につながる発表前の研究成果等の情報管理機関で守秘管理 |
(3)企業移転情報の組織的管理 |
技術情報やノウハウ等の管理 |
5. 知的財産等の学術目的の利用 権利化された特許等の学術目的の利用は,原則として,自由とする。ただし、本学内で開催される研究会,発表会等で明らかにされるアイデアやノウハウ等については,出席者等に対して,本学外への流出を防ぐための措置を講ずるものとする。 |
特許等の学術目的利用 |
Ⅳ 共同研究・受託研究等に伴う権利の帰属とライセンスの考え方(1) 共同研究により生じる発明企業等との共同研究により生じる発明については,原則として企業等と大学の共同出願 によって権利化し,その優先実施権を一定の期間,当該企業等に与える。なお,実施料収入の配分や不実施補償等に関する事項については,個別の契約で定める。 |
共同研究における知的財産 |
(2) 受託研究により生じる発明企業等からの受託研究により生じる発明については,原則として本学帰属とし,研究開発推進機構が管理する。権利化された特許は,その優先実施権が一定の期間,当該企業に与えられる。実施料収入の配分や不実施補償等に関する事項については,個別の契約で定める。 |
受託研究における知的財産 |
(3) 共同研究及び受託研究以外の産学連携により発生する発明等の知的財産企業等との共同研究及び企業等からの受託研究以外の産学連携によって生じる発明等の知的財産に関して,研究開発推進機構は,発明者等の意向を尊重して,活用を図る。 |
共同・受託研究以外における知的財産 |
(4) 長崎大学共同研究規程本学の教員等が本学以外の者と共同して行う研究に関しては,必要な事項を「長崎大学共同研究規程」に規定することによって,共同研究によって生じる知的財産権等の適正な取扱い及び管理を図り,共同研究の促進を図る。 |
長崎大学共同研究規程 |
Ⅴ 大学発ベンチャー企業創出の推進(1) 新産業創出のために,本学は,本学が所有する知的財産権について,ベンチャー企業に対して,専用実施権の設定又は譲渡等を行うよう努める。 |
ベンチャー企業創出の取組 |
Ⅵ 教職員や学生等の守秘義務(1) 産学官連携に伴い本学が組織として求められる守秘義務等に関する契約等の内容について,研究開発推進機構が教職員や学生等に対し理解の浸透を図る。また,必要に応じ学内規程 等を設けその遵守を推進する。 |
守秘義務 |
Ⅶ 知的財産等の管理及び産学官連携の実施体制と責任産学連携の効率的な実施のため,研究開発推進機構は,技術移転機関等との連携・相互補完体制を構築し,技術移転機関等の本学内での円滑な活動を支援する。 研究開発推進機構は,知的財産権の取得,管理,活用等において,技術移転機関と連携して,必要な活動を行うとともに,知的財産等の管理責任を負う。 |
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Ⅷ 知的財産等の取扱いに関する異議申立て手続と処理方法教員等は,自己の発明や権利化された知的財産等の本学における取扱い等に不服がある場合には,学長に異議申立てを行うことができる。 知的財産等の取扱い等に関する異議申立てに関する手続きに関する事項については,別に定める。 |
知的財産等取扱いへの異議申立て |